多目的監視装置SA350の製品仕様・操作方法を知りたい

やくも水神

SA350/SA350-IF 外部仕様書

2023/11/20
小松電機産業株式会社

目次

  1. はじめに
  2. 注意事項
  3. 製品仕様
  4. 外観
  5. 画面表示
  6. 記録機能
  7. 警報項目

1. はじめに

本製品は、クラウド方式総合水管理システムやくも水神多目的監視端末 SA350(入出力部はSA350-IF)について記述されます。

特長

  1. コンパクト設計 - 既設監視装置の更新も容易
  2. 水位/流量換算機能付
  3. 異常水位による警告灯出力 - 排水先の水位によるレベル出力が可能
  4. 災害対策 - 長期間停電しても計測可能
  5. ソーラーシステム対応 - 電源がとりにくい場所でも計測、管理が可能
  6. 無線化メリット - 有線の老朽化、災害による断線の影響がなく、雷害の影響も受けにくい
  7. メンテナンスフリー - 長寿命バッテリーは交換不要

2. 注意事項

設置にあたっては一般仕様の範囲内でご使用ください。特に次のような内容にご注意ください。

a. 設置場所

  • 振動、衝撃のない場所に設置
  • 周囲温度・湿度が仕様の範囲内であっても、その変化の激しい所は避ける
  • ホコリや昆虫、腐食性ガス、水、油などが装置内に入ると故障の原因となるため注意

b. 電源

  • 取付、保守、修理などの場合には、必ずブレーカなどの元電源を切って作業
  • 長期間電源を入れずに放置する場合、結露により故障する可能性があるため、設置後は必ず電源を投入

c. アンテナ

  • LTEアンテナを設置する際には、事前に必ず電波状態を確認の上設置
  • 電波状態が悪い場合、誤動作の原因となる
  • アンテナはドコモ純正品を使用

e. アース

  • 必ずアースラインを接続し規定の抵抗値以内であることを確認
  • 接続されない場合は、雷サージ等のノイズに対して弱くなる

f. 安全措置

本商品は通信機器です。何らかの原因で通信不能に陥った際の2次災害については、一切の責任を負いません。人身事故や重大な拡大損害に発展することが予測される用途にご使用の場合は、二重安全機構等の安全対策を組み込んでください。特に遠隔操作をご利用になる場合、現地制御回路、運用等による安全措置を必ず施してください。


3. 製品仕様

一般仕様

項目 名称 適用
電源 SA350 ・AC85V~AC260V 入力
(避雷回路内蔵。オプションで高性能避雷器内蔵タイプあり)

・電源電圧低下は自動検知し通報。瞬停対策約4秒
※標準バッテリー:リン酸鉄リチウムイオン LiFePO4 電池、
※12.8V/3200mAh、最大6個並列可能

・DC11-24V 入力
(小容量ソーラーパネル直結可能)
(入力中は内蔵バッテリーへ充電を行う)
SA350-IF ・DC11-24V 入力(SA350より供給)
使用条件 周囲温度 0~50℃
湿度 20~85%RH(結露無きこと)
外形寸法 SA350 W174×H174×D70(板金ベース部除く)
消費電力 最大消費電力約50VA(バッテリー充電中)、
通常約14VA
(入出力部SA350-IFの電源用電力を含む)
重量 SA350 0.8kg(バッテリー除く)
SA350-IF 0.8kg

入出力仕様

項目 名称 適用
デジタル入力 情報部 SA350 無電圧接点入力、停電補償入力4点
・停電(電源異常)、避雷器故障、ドア開閉信号、予備入力(4点)
入出力部 SA350-IF 無電圧接点入力16点
・切替で機器運転入力4点(日報記録対象)、
・パルス積算入力2点(日積算、積算強度)
デジタル出力 SA350 AC250V/0.5A をオンオフ可能なa接点出力4点
(ファン、ヒータ、水位レベル出力2点)
SA350-IF AC250V/0.5A をオンオフ可能なa接点出力4点
(遠隔操作出力)
アナログ入力 SA350-IF 5点
・2線式水位計入力2点
・配線替えにより4-20mAに切替可能。
・10点折れ線近似機能付き。
・アナログパルス変換・積算機能付き)
・0-5V電圧入力1点
・運転電流入力2点(設定により100A/300Aレンジ切替)
表示 有機EL画面 ANK16文字2行の有機EL(OLED)表示器。
ドア閉時および長時間無操作時消灯
LED SA350 6個
電源(緑),警報(赤),通信(緑・赤),
保守(赤),IOモニターモード(緑)
設定モード(緑)
SA350-IF 3個
・電源(緑),警報(赤),通信(緑・赤)
操作 操作スイッチ 表示切替、警報表示、上下左右カーソル
※警報表示長押しで設定モードへ移行。
※長押しで復帰
保守 USB 保守用。プログラム書き換え、
設定書き換えに使用可能
ブザー 内蔵(停電時にも鳴動可能)
カレンダ RTC 搭載。
電源投入時及び日毎サーバーと自動的に時刻合わせ

通信仕様

項目 適用
携帯パケット網通信 NTTドコモ LTE-M(LTE Cat.M1)、
2拠点自動接続切り替え
※さらに携帯パケット通信二重化ユニット(ST350)追加で
複数キャリアとの通信が可能

通信網経由問い合わせ通信、警報などのイベント通信
オプションでクラウドと常に双方向でデータを送受信可能
(リアルタイム通信。最短3秒間隔)

※施設間制御に利用。回線二重化可能(常時通信接続)
※リアルタイム通信は1秒間隔での双方向通信を設計目標とします
省配線通信 SA350: RS485(専用プロトコル)。
19200bps,Max10m。省配線ホストとして機能

※オプションでSA350-IFの代わりに、
東亜DKK製残塩計CWM-160EとRS485(MODBUS/RTUに切替)通信。
同プロトコルに対応するリモートIO通信を拡張可能

SA350-IF: 省配線スレーブとして機能
拡張通信(RS232C) RS232C×2、19200bps、max10m

・RS232C-1 OMRON PLC、
 ・三菱PLC拡張用、東亜DKK製多項目水質計

・RS232C-2 携帯パケット通信二重化ユニット
 ・ST350接続/汎用ゲートウェイPC接続切替可能
拡張通信(I2C) 盤内温度湿度センサー接続。(2か所設置可能、最大延長2m) (T.B.D)

記録

項目 適用
内部記録 SA350
・運転日報
・アナログトレンド(1分毎)
・デジタルトレンド(1秒毎)最大70日分記録
・運転電流トレンドは1秒間隔で過去5回分記録。

すべて通信経由で取得可能
設定 SA350
パネルからの設定、遠隔設定可能。
初期電源立ち上げ時の設定自動ダウンロード機能あり
プログラム保守 SA350、SA350-IF
USBからのプログラム書き換え、遠隔から通信経由での書き換え可能

※通信異常、停電等の原因で書き換えを失敗した場合でも
書き換え前のプログラムで起動します
停電時計測 SA350
標準バッテリー(LiFePO4,DC12.8V,3.2Ah)で10分間欠で計測、
24時間以上監視可能
最大6並列可能であり、10分間欠で1週間以上計測可能

※バッテリーが完全放電しても、
それまでの計測データは最大70日間端末内に残ります

4. 外観

(1) 情報部 SA350

スクリーンショット 2025-06-16 8.49.33.png

  • 寸法:W174×H174×D70mm(板金ベース部除く)
  • 重量:0.8kg(バッテリー除く)

(2) 入出力部 SA350-IF

スクリーンショット 2025-06-16 8.49.59.png

※標準入出力。残塩監視、水質監視には使用しない。

  • 寸法:W168×H62×D105mm
  • 重量:0.8kg

5. 画面表示

16ケタ2行のアルファベットカナ文字表示可能な有機EL表示画面で、以下の項目を表示する。

(1) 通常表示

表示切替ボタンを押すことにより画面表示は以下の順で遷移する:

  1. アナログ1表示 Ai1

    FZZZ9.ZZ[CCCC] XX
    • XX は L1-L4、上限設定以上の場合 UP、下限設定未満の場合 LW と表示
    • [CCCC]は単位
  2. アナログ2表示 Ai2

    FZZZZ9.ZZ[CCCC] XX
  3. アナログ5表示 Ai5

    FZZZZ9.ZZ[CCCC] XX
  4. 温度表示

    オンド(ナイブ)
    FZ9.9℃
    • -10~80℃の範囲、0.5℃刻み
  5. 積算値1表示

    セキサン 1
    ZZZZ9.ZZ[CCCC]
  6. 積算値2表示

    セキサン 2
    ZZZZ9.ZZ[CCCC]
  7. 運転電流画面

    □M1:Z9.9A (ZZ9%)
    □M2:Z9.9A (ZZ9%)
  8. 機器運転表示画面

    □M01 ■M02 nn
    □M03 □M04
  9. 機器総運転時間1

    HM01 ZZZZ9:99
    HM02 ZZZZ9:99
  10. 機器総運転時間2

    HM03 ZZZZ9:99
    HM04 ZZZZ9:99
  11. 現在時刻

    ゲンザイジコク
    9999/99/99 Z9:99
  12. 総通電時間積算

    ソウツウデンジカン
    ZZZZZ9H

(2) 警報表示

警報表示ボタンを押すと、最も最近発生し現在も継続中の警報を表示する。

画面名称 表示メッセージ 備考
1 全復旧画面 イジョウアリマセン 00
9999/99/99 Z9:99
操作なく10秒経過すると
通常表示画面へ移動
2 警報表示画面(1-99) CCCCCCCCCCCCC 99
9999/99/99 Z9:99
警報が現在も継続している場合、
CCCC部分はブリンク
3 警報表示画面(1-99) CCCCCCCCCCCCC xx
**// :**
警報が現在も継続しているが、
履歴外の場合

(3) 設定画面

「警報表示」ボタンを3秒以上長押しすることで設定モードに切り替わる。

設定分類選択画面

セッテイブンルイセンタク 1
システム タイム ケイホウ >>

セッテイブンルイセンタク 2
<< ツウシン ホカ
設定カテゴリー 画面遷移
システム システム設定へ遷移
タイム 時間関係設定へ遷移
ケイホウ 警報関係設定へ遷移
ツウシン 通信関係設定へ遷移
ホカ その他設定へ遷移

6. 記録機能

(1) 運行履歴(Diトレンド)

  • 時値デジタル項目の変化を1秒間隔で検出し、変化があった場合時刻とともに記録
  • 1日最大3,000件記録され、最大件数に達すると古い記録から順次上書き
  • 前日~過去70日分の記録データ不揮発性メモリーに記録

(2) アナログトレンド(Aiトレンド)

  • アナログ信号の値は1分毎に収集
  • アナログ入力3点、内部温度、拡張アナログ入力24点を最大70日間内部に保持
  • 前日~過去70日分の記録データは不揮発性メモリーに記録

(3) 機器運転電流

  • Ai3,4は機器2台の運転電流を1回あたり最長10分間、5回分記録可能
  • 各々電流センサー(CT)で検出し、CT入力へ直接接続することにより電流瞬時値、平均値、負荷率、電流の推移を計測記録

(4) 日報

日報記録項目:

項目名称 備考
1. 時間毎運転時間
2. 運転時間日計
3. 総運転時間
4. 時間毎運転回数(始動回数)
5. 運転回数日計
6. 最大時間毎稼働率 機器1,2のみ
7. 最長継続運転時間 機器1,2のみ
8. 最大時間毎稼働率 機器1,2のみ
9. 最長継続運転時間 機器1,2のみ
10. 時間毎最多始動回数 機器1,2のみ
11. 最小始動間隔間隔 機器1,2のみ
12. 最長運転待機時間 機器1,2のみ

(5) アナログ計測値

  • 標準時アナログ入力3点(Ai1,2,5)、内部温度の毎正時値、日次最大、最少、平均値、最大・最少記録時刻を日報として記録
  • アナログ入力2点(Ai1,2)は10点折れ線近似機能を持ち自由に特性を定義、数値の補正が可能
  • 拡張時は最大24点(EAi1~24)追加可能

(6) 積算値

  • 積算値は標準2点。拡張時最大10点追加可能
  • アナログ入力(Ai1,2)から入力される値を内部積算し、パルス積算値へ変換の上で監視可能

7. 警報項目

全ての警報項目は警報マスク機能で有効無効を設定可能です。

(1) 一般警報入力

  • 入出力部16点:論理反転、警報設定、オンディレー設定可能
  • 情報部4点:停電保障入力、論理反転、警報設定、オンディレー設定可能
    (うち3点は停電入力、避雷器故障、ドア開閉用に予約)

(2) アナログ入力関係

  • アナログ入力Ai1,2,5 上限/下限
  • アナログ入力Ai1,2 変化量上限、断線、レベル1~4検知
  • アナログ入力Ai3,4 軽負荷、過負荷注意

(3) 積算値関係

  • 積算値変化量上限(Pi1,Pi2)

(4) その他

  • 長時間運転(機器1、機器2)
  • 電源異常(監視装置電源断、電池異常、外部DC電源異常)
  • ドア開閉時異常(ドア不正開放、機器オフ放置、電源断放置)
  • 端末内部温度を含む温度異常高/異常低
  • メンテナンス時期注意(電池交換時期含む4項目)
  • LTE通信異常、RS485異常
  • ポンプ運転診断(待機時間上限、稼働率上限、始動間隔下限、始動回数上限)